写真は私の作品です。
シルクオーガンジーという布を染めた
ポケットチーフです。
オーガンジーという布には
透けるという特性があります。
染色作品の制作では布の特性を理解して
染める方がより良い作品になると思います。
今回染めたオーガンジーという布には
先ほども述べましたように
透けるという特性があり
布と布が重なってできる色の変化や
模様と模様が重なった部分にできる
新たな形が
奥行きのある美しい景色を作り出します。
ですから
この様な透ける布を染める場合には、
「制作に対する思い」と「布の透ける特性」
とを上手く響き合わせることが、
より良い作品を
作るためには大切なことだと思います。
このことは染色のみならず
様々な素材を用いて制作する
工芸作品全般に共通することだと思います。
「制作に対する思い」と「素材の特性」を
どの様に融合させて形にするのか、それが
工芸作品制作に於ける永遠のテーマであり、
作品を作るときの、面白さなのです。
工芸作家は素材との対話以外にも
様々なことを勘案して
独自の作品を生み出しています。
皆様、工芸作品を観た
り使ったりされるときには、
この様なことも念頭に
工芸作品を鑑賞していただきますと、
いっそう楽しみが増すことと思います。

