日展出品作品 題名「陽ざし」が高等学校の教科書の表紙になりました。
日展の会期中に掲載のご依頼がありました。
お話をうかがうと展覧中の作品を観た出版社様から、
「今回、日展にご出品の先生のお作品を高等学校の教科書の表紙を飾らせて頂きたいので、
お願いします」とのことでした。
私の作品が表紙になるとはピンとこなかったのですが、名誉なことでありますし
高校生のみなさんがこの教科書で学ぶというのは
染色の面白さをお伝えするには良い機会をいただいたと思ってお受けすることにしました。
担当者さんやデザイナーさんと文字の配置や発色を何度も確認しながら
徐々に完成に向けて作業が進んでいきました。
完成した教科書の表紙は素晴らしい仕上がりでした。
※この作品について少しだけ解説をしますと
強い日差しで眼も眩むほど明るい陽光をイメージして制作しました。
画面の80%が真っ白な胡粉で覆いつくされています。
私にとって白は清らかで神々しい陽光のイメージなのです。
画面の僅か20%ほどの色の部分では日陰の不思議な感覚を抽象的に表現しました。
多色と形が画面を覆いつくし溢れかえるような作品も素敵なのですが、
私はどちらかというと、引き算の美学とでも言いましょうか、
言葉は少なくして神髄を語るような作品にしたいとの想いがありました。
今回の作品は、陽ざしの美しさ、清らかさ、神々しさという溢れる想いを
言葉少なくして多弁に挑戦した作品です。