片刷(刷毛)による素描き染め染め工程をご紹介しています。
片刷(刷毛)による素描き染め染め
一般的に、筆で直接布に描くことを「素描き」と言います。
当工房では、筆と刷毛を用いて、生地に直接絵を描きます。
なぜ刷毛を使用するかと申しますと、
シルクの生地に、筆で描くのと、刷毛で描くのでは、
表現が異なるので、軟鋼織り交ぜての表現を得るために
両方用います。
筆や刷毛の特性を使い分けながら描いていきます。
筆一般に、柔らかい表現に向いています。
筆では、先や腹を使用して描きます。
刷毛で描く最大のメリットは
シャープで切れ味の良い絵を描くことができることです。
片刷(かたは)というのは、ぼかしたり、絵を描いたりできる
染め物のぼかし刷毛です。
片刷には、平たい刷毛の中に、高低があります。
高低を活かして、刷毛の中に濃淡を作り出して
それを、ひと刷毛(タッチ)描くことで
一度に濃淡を描き切ることができます。
ぼかしの部分は、刷毛で描くと、切れ味の鋭いぼかし味になります。
また、刷毛の角度により、極細の線から太い線までを
自在に描き分けることができます。
その表現は、筆描きよりもシャープに描けます。
刷毛は布との相性が良く、きれいに染まります。
しかし、刷毛の中でも特に片刷の扱いは技能を極める必要があります。
今後も引き続き修行して参ります。