訪問着 早春の小さな花たち
お似合いですねという言葉をよく聞きますが、安易に言うその言葉、
お似合いって何だろう?
お洒落な着物って何だろう?
私は御誂え着物を承る度に自問自答していますが未だ結論には到達していません。
なぜなら、ご注文を頂く方の個性や想いは千差万別だからです。
私はお似合いを実現するために、お召しになる方の個性や想いに寄り添いたいと思います。
染めさせて頂いた着物がお客様の心を満たし、幸せを実感して頂けるために、
その方のためだけに丁寧に染め上げたいと思います。
生地選びから始まって、地色や絵柄を決め、原寸大の図案紙に模様の高さや大きさ、
配置、配色を決めていき、染色工程を幾度も繰り返して染め上げ仕立てていく着物作りは
作り手も減少する中で、決してお安いものではありません。
しかし、しつけの糸を取り、究極の一着に袖を通す高揚感を是非、経験していただきたいと思います。
長年続いてきた日本の衣装文化を継承していくことを使命として、
美しく、本当にお似合いですといえる着物をお届けしたいと思います。